猫の耳たぶ

失業者が思ったこと感じたことを書き散らします

閉架の意味とは

f:id:srsrnknk:20210126082319j:plain近所の図書館に、ずっと探していた絶版本が置いてあると知ってハローワークの帰りに寄ってきた。

その本はノンフィクション作家の星野博美さん作「ホンコンフラワー」という写真集で、
星野さんが香港に滞在中に撮影された街中や人々の写真が収録されている。
長年読みたかった本が、こんな近くの図書館に着いてあるなんて…!
ハロワで用事を済ませた後わくわくしながら図書館に向かった。

図書館に着いて、蔵書検索用のパソコンに「ホンコンフラワー」と入力して検索すると、B棚の写真集列に在庫あり!貸し出し可能!と表示されたので、すぐB棚の該当列に行ったのだけれど、ホンコンフラワーは置いていなかった。

現物を見たことがないので、小さい本なのかと思って調べたら結構大型の本らしく、
見落とすはずがない、と思って何度も目を凝らして本を手に取って、あった!!と思ってよく見たら星野道夫の写真集だった…。

20分以上同じ棚を見続けて、立ち上がったりしゃがんだりして流石に疲れてきたので、
最終手段、図書館のスタッフさんに聞くことにした。
もう1度検索用パソコンにホンコンフラワーと入力して、本の詳細が書かれているちっちゃい紙を印刷すると、
そこには「状態:在庫あり 開閉区分:閉架」と書いてあった。閉架は初めて見た単語だった。


閉架って何?昔は貸し出していたけど今ないってこと?
本はあるけど特殊な手続きを踏まないと貸し出せないってこと?



スマホで「閉架 意味」と検索すると、


閉架とは利用者が資料を自由に手に取ることができない状態、利用者が読みたい本や資料を請求して書庫から取り出してもらう方式。
閉架される本は専門的な本や古い本、貴重な本とのことである。


なるほど、大事な大事な本は外の空気と人間から匿われているんだな…



スタッフさんに小さい紙を渡してこの本借りたんですけどと聞くと、
はい、書庫から持ってきます!少々お待ちくださいと言われてカウンター奥の巨大な扉を開けて書庫に行ってしまった。
ちらっと書庫内が見えたけど、薄暗くてものすごく高い本棚がズラズラ並んでいて、
あの中から探してくるのは大変そうで申し訳ない気持ちに…

しばらくするとスタッフさんが大型本を抱えて戻ってきて、これでお間違いないでしょうか?と念願のホンコンフラワーを渡してくれた。
ずっと読みたかった(見たかった?)写真集が手に入って、めちゃくちゃ嬉しかった。
この時、自分が30歳無職であるというあんまりな現実が忘れられた。

家に帰って本を開くと、写真から香港のあのモワ~とした熱気と湿気が噴出してきた。
今から20年以上前の香港に生きる人々や動物の写真がたくさん載っていて、
横文字看板、細くてどこまでも縦に長いビル、半裸の男(笑)など香港がぎっしりみっしり詰めこまれていた。

香港好き、星野さんファンの自分にはたまらない写真集でした!
「転がる香港に苔は生えない」で見た写真も何枚か収録されていて、これはもう転がる~を読むしかねえ!!と思い
本棚から引っ張ってきてホンコンフラワーを見つつと転がる~を読むというわけのわからない事をして休日が終わった。

あ、そういえば今は毎日休日みたいなもんだった…
図書館の本は2週間借りられるので、返却期限までホンコンフラワーを脳と目にしっかり焼き付けようと思います。